家族の死亡後における健康保険の手続きとは?

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大事な家族の死亡後に行う健康保険の手続きは、そのシステムが全くわからない一般の皆さんにとって流れやタイミングなどのイメージがしにくい存在です。

しかし健康保険が家族の通院に欠かせない保険証の発行と大きく関係する実情から考えると、その手続きは被保険者が亡くなってからなるべく早めに行うべきだと言えるでしょう。

今回は、家族の死亡から比較的早い時期に行う必要のある健康保険の手続きと注意点について、基本的な話をしていきます。

健康保険の種類は亡くなった人の職業によって異なる

健康保険に関する手続きに複雑な印象を受ける人が多い理由は、被保険者の働き方などによって加入する保険の種類が大きく異なる実情があるからです。

まず自営業者として働く方々やその主婦などは、市区町村役場で手続きを行う国民健康保険に加入する仕組みです。

これに対して会社員は健康保険、公務員は共済組合に加入する実情があるため、亡くなった被保険者の残された家族は、それぞれの保険の種類に合った方法・場所で保険証を返却する手続きをしなければならない形となるのです。

まずは死亡届の提出を行う

被保険者が亡くなった場合、健康保険の喪失手続きよりも先に行うべきなのは、市区町村役場で受け付けてくれる死亡届の提出です。

この手続きを最優先する理由は、死亡届の提出を行わなければ火葬許可証や埋葬許可証がもらえないという役所のシステムが大きく関係しています。

また死亡届には、本人の死去から7日以内に提出するというルールもありますので、被保険者の死亡に伴う各種手続きをする際には、一連の流れだけでなく期限についても着目するようにしてください。

手続きの種類によって期限が大きく異なる

ちなみに被保険者の死亡に伴い行う必要のある手続きの期限は、下記のように定められています。

・死後10日以内 → 年金受給停止
・死後14日以内 → 介護保険の資格喪失届
・死後4ヶ月以内 → 所得税の申告と納付手続き
・死後2年以内 → 生命保険金の請求手続き
・葬儀が終わってから2年以内 → 国民健康保険の埋葬料

葬儀社側で代理提出してくれることも

大事な家族が亡くなったことにより、各種手続きができる精神状態が戻らなかったり、さまざまな調整などで忙しく家族が死亡届の提出を行えない時には、葬儀社の担当者が代理で市区町村役場に行ってくれる場合もあります。

葬儀社側でこうした対応を行う理由は、前述のとおり死亡届を出さない限り火葬や埋葬の許可証がもらえないからです。

しかし健康保険や年金といった葬儀に関係のないその他の手続きは、基本的に遺族が自ら行う形となりますので、注意をしてください。

国民健康保険もしくは後期高齢者医療制度に加入していたときの手続き

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家族が亡くなった場合における健康保険の手続きで最もシンプルなのは、被保険者である本人が国民健康保険に加入していた場合です。

健康保険を返却する場所とは?

自営業者などが多く加入する国民健康保険だけでなく、75歳以上の方々の加入する後期高齢者医療制度に入っていた場合は、故人の住んでいた市区町村役場の窓口で保険証を返し、資格喪失届を提出する形となります。

被保険者が亡くなったときの返却書類

まず、国民健康保険の世帯主が亡くなった場合は、故人だけでなく世帯員全員の保険証返却が求められます。

これに対して国民健康保険の高齢受給者証と後期高齢者医療制度の被保険者証については、対象者のみの返却になる形です。

国保関連の手続きを初めて行う方々にとって、「どの書類を返却すべきか?」というのは非常に難しい内容となります。

特に故人以外にも家族みんなが国民健康保険に加入している家庭では、市区町村役場の窓口に出向く前に具体的に返却が必要となる書類を確認しておくのが理想となるでしょう。

国民健康保険の喪失手続きに必要な書類

国民健康保険の被保険者の喪失手続きをする場合は、死亡を証明する戸籍謄本と、世帯主の認め印、窓口に訪れた人の本人確認書類が必要となります。

これに対して後期高齢者医療制度の喪失手続きでは、高額医療費がある場合は預金通帳、相続人の印鑑、限度額適用・標準負担減額認定証、特定疾病療養受領証の提出が求められるようです。

国民健康保険以外の健康保険に入っていたときの手続き

亡くなった人の健康保険が国民健康保険以外の船員保険や共済組合だった場合は、市区町村役場ではなく年金事務所で資格喪失の手続きが行われる形となります。

しかし一般的には、会社の総務や人事担当者が必要書類などの取りまとめをして、年金事務所に提出する方法をとる企業がほとんどとなるようです。

まずは被保険者の会社に相談をする

これまで会社員や公務員として働いていた家族が亡くなったら、まず会社にその旨を伝える必要があります。

死亡直後は前述の死亡届の提出なども早めに行う必要がありますが、故人が無断欠勤することにより会社側に多大なトラブルなどが生じてしまう可能性を考えると、連絡は早めに入れる心掛けが遺族に必要だと言えそうです。

またさまざまな社会保険の手続きを行う人事総務部の担当者は、被保険者が亡くなった時に行う事務全般にも詳しい実情がありますので、故人が死亡した連絡を入れた時に「いつまでにどんな書類を用意すればよいのか?」といった相談をしてみると良いでしょう。

会社で行う退職手続きには多くの項目がある

ちなみに今まで会社員や公務員だった家族が亡くなった場合、健康保険の喪失だけでなく、下記のような手続きを遺族と会社が協力して行う必要がでてきます。

・死亡退職届の提出
・社員証の返却
・会社から貸与されていた物のチェックと返却
・デスクやロッカーなどに入っていた私物の引き取り
・未払いの給与、社内預金、退職金、自社持ち株などの生産

健康保険から支給される給付金を活用しよう

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誰もが何らかの種類に加入している健康保険では、被保険者の死亡後の申請により支給可能な給付金を用意しています。

国民健康保険の葬祭費

国民健康保険の葬祭費の費用や手続きの流れは、自治体によってそのシステムが大きく異なる実態があります。

一般的な市区町村役場では、葬祭費として1万円~7万円ほどのお金を遺族に支給するケースが多いようです。

ちなみにこの手続きは葬儀をおこなった日から2年以内であれば申請可能となりますので、故人のお葬式や遺産相続手続き全般が終わり落ち着いた段階で手続きをおこなってみるのもおすすめとなりそうです。

社会保険の埋葬料

サラリーマンの加入する組合健保や、中小企業の従業員を対象とする協会けんぽでは、被保険者や被扶養者が亡くなった時に、埋葬費や埋葬料を支給する形となります。

多くの人が加入している協会けんぽでは、被保険者が養う家族に対して5万円の埋葬料を支払う仕組みとなっています。

これに対して埋葬費は、被保険者が扶養する家族がいなかったり、埋葬をおこなった人に対して支給されるお金となるようです。

組合健保においては、協会けんぽと同じ埋葬費・埋葬料の他に、数万円の付加給付が設定されることもあるようです。

ちなみに埋葬料の手続き時には、埋葬にかかった実費の確認に欠かせない領収書の提出も求められる形となります。

船員保険・共済組合の埋葬料

国家公務員や地方公務員、私立学校教職員の加入する共済組合では、公務以外で亡くなった組合員に対して、埋葬料もしくは家族埋葬料が支給される仕組みです。

地方職員共済組合を例にシステムを見ていくと、亡くなった被保険者が養っていた家族に対して支給される埋葬料は、協会けんぽなどと同じように5万円となります。

これに対して亡くなった被保険者に扶養の家族がいない場合は、埋葬にかかった実費が5万円以内で支払われる家族埋葬料が選択される形となるようです。

死亡後の健康保険の手続きに頭を悩ませないために

被保険者の働き方や家族状況などによっても変わってくる健康保険の手続きは、遺産相続と同じように本人が生きているうちからある程度の準備やイメージなどをしておくのが理想となります。

例えば、会社員として働く被保険者が生きているうちから、退職手続きに必要な書類や会社から貸与されたものなどの存在を把握しておけば、人事総務部担当者とのやり取りもスムーズにおこなえると言えそうです。

またこの他に、旦那さんの扶養という形で国民健康保険や協会けんぽなどに加入している妻子の場合、世帯主の死亡に伴い他の健康保険に入る必要もでてきますので、大事な人の死とともに訪れる各種手続きの複雑さに困惑しないためにも、基本的な健康保険の仕組みを理解しておくこともおすすめだと言えそうです。

相続手続きに強い弁護士への相談もおすすめ

大事な家族が亡くなった時、相続開始によりさまざまな問題が露呈するケースが非常に多く見受けられます。

また葬儀に訪れた親族との間で相続問題が生じた時には、度重なるトラブルにより健康保険手続きを含めた優先順位がわからなくなってしまう方々も少なくない実態があるようです。

こうした状況下で生じるトラブルを早期解決するためには、相続問題全般に強い弁護士に相談をするのが最もおすすめとなります。

また家族の死とともに保険手続きや相続に関わる問題が生まれる可能性が高い場合は、被保険者が生きているうちにみんなで話し合いをしながら、より良い方向性を模索してみても良いかもしれません。

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