配偶者が亡くなった時に確認すべき寡婦年金や遺族年金の基礎知識 死亡退職金における手続きと相続時の考え方

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家族の暮らしを支えてきた旦那さんが亡くなった時、寡婦年金などのお金をもらえる仕組みについて相談をする女性は非常に多い実態があります。

ちなみに寡婦という言葉には、配偶者と死別もしくは離別をした後、再婚をしていない独身の女性を指す意味があります。

実際のところ旦那さんを失った女性のもらえる遺族年金には非常に幅広い種類がありますが、自分の現状から寡婦年金について調査や相談をする女性が多い実情も特におかしいことではないと言えるでしょう。

今回は、夫が亡くなったことで遺族の妻が受け取れる年金の種類や条件、死亡一時金といったお金に関する話を詳しくご紹介していきます。

遺族年金の中に分類される寡婦年金

まず第三の遺族年金制度とも呼ばれる寡婦年金は、全ての未亡人の女性がもらえるものではありません。

夫を亡くした妻がもらえる可能性のある遺族年金には、遺族厚生年金・遺族基礎年金・寡婦年金といった種類があります。

ここに遺族年金制度の一部と考えられている死亡一時金も加えると、請求手続きをする際にはまず「自分はどの年金をもらえる権利があるのか?」について考えなければなりません。

また遺族年金・寡婦年金・死亡一時金には、「いずれかひとつしかもらえない」という前提条件がありますので、複数種類の制度に該当していたとしても必ず遺族が自ら選択する作業が必要となってくると言えるでしょう。

ここからは、旦那さんが死んでしまった後に妻がもらえる年金の種類と、それぞれの特徴や注意点などを詳しく見ていきます。

遺族基礎年金

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遺族の受け取れる年金の基本となるのは、遺族基礎年金と遺族厚生年金という2つの種類です。

その中でも遺族基礎年金は、国民年金加入者の遺族に支払われる前提条件があります。

ちなみに制度改正された2014年4月以降は、夫を亡くした妻だけでなく、妻を亡くした夫についても遺族基礎年金の請求ができるようになりました。

遺族基礎年金の支給における被保険者の条件

遺族基礎年金は、被保険者となる故人が下記条件に該当した時のみ支給可能となります。

・国民年金に加入し続けている
・60歳位以上65歳未満の人で、以前国民年金に加入していた時期がある
・老齢基礎年金の受給資格を満たしている、もしくは受給権者

また平成38年までの間は、65歳未満の人が亡くなった日の前々月までに保険料納付済み期間が全加入期間の3分の2以上あるもしくは、亡くなった日の前々月までの1年間で保険料の未納がないという条件に該当すれば、遺族基礎年金の支給が可能となっています。

遺族基礎年金の受け取り条件

片親を亡くした子供が成長するまでもらえる年金とも言える遺族基礎年金は、18歳未満の子供や、20歳未満で1級もしくは2級の障害等級を持つ子供を持つ母親や父親が5年以内に請求を行った時のみもらえる仕組みとなっています。

給付額については779,300円+子供の数によって加算されるシステムとなっており、上の子供が18歳を迎える度に減額される形です。

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金加入者が亡くなった時に受け取れる年金です。

遺族基礎年金と重複させる形で受け取れる遺族厚生年金は、遺族基礎年金と比べて何かとメリットの多い存在となっています。

遺族厚生年金の支給条件

遺族厚生年金は、下記条件に該当した時に受け取れる仕組みです。

・国民年金加入期間中の傷病が原因で初診日から5年以内に亡くなってしまった
・障害厚生年金の1級~2級を受けていた
・老齢厚生年金の受給資格に達してから25年以上経っていた

ちなみに平成38年までの間は、遺族基礎年金と同じように死亡前々月までの保険料納付済み期間が加入期間全体の3分の2以上あった場合もしくは、死亡前々月までの1年間で保険料未納がなければ支給可能となっています。

遺族厚生年金の受け取り条件と給付額

妻だけでなく、55歳以上の夫や祖父母、父母、18歳未満の子供、障害等級1級もしくは2級を持っている20歳未満の子供でも受給可能な遺族厚生年金には、遺族基礎年金と違って妻の支給制限がないという特徴もあります。

支給額については故人が生きていれば受け取れるはずだった厚生年金の4分の3となっており、詳しい金額は総合的な判断によって決定する仕組みです。

既に年金生活をしている配偶者が亡くなった時

支給制限のない遺族厚生年金の場合、年金生活をしていた夫が亡くなった後に配偶者が受給することも可能となっています。

このケースに該当する場合は、下記3パターンのうち最も支給額の高いものを選択できる仕組みです。

・自分の老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金(遺族厚生年金は受け取らない)
・配偶者の厚生年金×4分の3+自分の老齢基礎年金
・お互いの厚生年金の平均+自分の老齢基礎年金

遺族が国民年金だけを受け取っている場合は、配偶者の厚生年金における4分の3をもらう方法だけが選択できる形です。

寡婦年金

当ページの主テーマとも言える寡婦年金は、子供のいない女性のみが受け取れる年金です。

言葉の意味としても寡婦に該当しない男性は、寡婦年金にあたるお金を受け取れない実態があります。

そのため寡婦年金には、男女格差のある年金として問題視する声もあるようです。

寡婦年金における受給条件

亡くなった夫の妻が寡婦年金を受給するには、下記の条件をクリアする必要があります。

・10年間に渡り第1号被保険者として保険料を納めた夫と、10年以上の婚姻期間があった
・亡くなった夫に障害基礎年金の受給権がなく、老齢基礎年金を受けたこともない
・老齢基礎年金を繰り上げ受給していない
・5年以内に請求を行っている

こうした条件に目を通すと、自営業だった夫の妻が受給対象として最も多いケースとなりそうです。

ちなみに寡婦年金の支給額は、旦那さんが本来受け取れるはずだった老齢基礎年金の4分の3となります。

配偶者は会社員、でも子供がいない場合は?

寡婦年金をもらう妻には、厚生年金に加入していない夫を持っていたという条件もあります。

そのため、会社員として働く旦那さんが亡くなった場合は、寡婦年金の代わりに遺族厚生年金がもらえる形です。

更に寡婦となった女性が遺族厚生年金を受け取る時には、40歳~65歳までの間に遺族基礎年金の4分の3の金額が支給される中高齢寡婦加算がもらえる仕組みです。

この加算も男性の寡夫には設けられていない制度となりますので、注意をしてください。

死亡一時金

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妻が自身の老齢基礎年金を繰り上げ受給しているなどの場合は、寡婦年金の受給対象外になってしまうことにより死亡一時金という選択をせざるを得ない可能性もでてきます。

保険料を納めた月数に応じる形で12~32万円までを1回だけもらえる死亡一時金は、寡婦年金との併用はできない存在です。

死亡一時金の受け取り条件

死亡一時金を受け取る場合は、下記条件を満たす必要があります。

・35ヶ月間、第一号被保険者として保険料を払っていた家族を亡くした
・寡婦年金や遺族基礎年金の支給条件を満たせない
・障害基礎年金や老齢基礎年金を受け取っていない
・亡くなった人と生計を一にしていた
・2年以内に請求を行った

死亡一時金の受け取りにおける優先順位

配偶者に限らず幅広い人が受け取れる死亡一時金には、子供→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹の優先順位でもらえる人が決まる仕組みとなっています。

ちなみに生死不明となってしまった場合は、失踪宣告の審判確定の翌日から請求期限となる2年が起算される形です。

そのため、生死不明という複雑な状況下であっても死亡一時金をもらうには必ず手続きを行う必要があると言えるでしょう。

労災により死亡した時の遺族年金

亡くなった旦那さんが過労死や仕事中の交通事故などの理由による労働災害だったと認定された場合は、遺族補償年金・遺族特別支給金・遺族特別年金などの受け取れる可能性が高まります。

遺族補償年金

労災で亡くなった労働者の遺族がもらえる遺族補償年金には、希望に応じて前払いできる特徴があります。

また遺族厚生年金と遺族補償年金との二重給付となる場合は、本来の賃金を超えてしまう問題を防ぐために、後者が8割の給付額になる仕組みです。

遺族特別年金

特別給付とも言える遺族特別年金は、ボーナスの補填と考えるとわかりやすいです。

遺族補償年金と同額もらえる遺族特別年金には、遺族補償年金の前払いを行っても支給停止にならない特徴があります。

遺族補償一時金

遺族補償年金の受け取り資格のある人がいない場合は、給付基礎学の1,000日分となる遺族補償一時金がもらえる仕組みです。

ちなみにここで指す受け取り資格というのは、労災で亡くなった人が誰とも生計を一にしていなかったことを意味します。

寡婦年金や遺族年金を正しく受け取るために

ここまでご紹介したとおり、旦那さんを亡くした寡婦がもらえる年金には一時金を含めた非常に多くの種類があります。

また夫だけでなく妻の状況によっても支給の有無が変わってくる遺族年金の場合、何の年金知識も持たない皆さんにとって判断すら難しい存在であると言えるでしょう。

これからもらう予定の遺族年金や旦那さんの遺産分割について手続きの優先順位などを決められない場合は、相続全般に詳しい弁護士などの法律の専門家に相談をしながら、ひとつずつ問題を乗り越えてみてください。

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