遺言書における7つの種類と作成方法

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遺産相続トラブルを防ぐ上で作っておくべきとも言える遺言書には、非常に多くの種類があります。

またそれぞれの作成方法は種類によって大きく異なる実態があるため、相続に関する法律知識のない皆さんからすると「どの種類の遺言書を作れば良いだろう?」、「自分はどの種類の遺言書が適しているのだろう?」といった疑問が生じやすい実態があるようです。

今回は、将来的に生じる相続手続きに向けて遺言書の作成を検討中の皆さんと一緒に、それぞれの特徴と作り方、注意点などを詳しく確認していきます。

遺言書には2つの方式がある

遺言書には、普通方式遺言と特別方式遺言という2つの種類があります。

普通方式遺言とは?

自筆証書遺言・秘密証書遺言・公正証書遺言という3つの種類を総称して、普通方式遺言と呼びます。

これらに共通する特徴は、遺言作成をするにあたってしっかり時間をかけて内容の検討などができることとなります。

また普通方式遺言には、基本的に有効期限がありませんので、病気や障害などの出ていない元気なうちに作ることが十分可能な遺言書の種類と捉えて良いでしょう。

特別方式遺言とは?

これに対して特別方式遺言は、命の危機が迫っていて緊急の状態で作る遺言の種類です。

そのため、命の危機を回避することができたことにより作成から6ヶ月後も生存していた場合は、遺言が無効となってしまう有効期限が特別方式遺言にはあるのです。

こうした形でかなり特殊な状況下で作成する特別方式遺言は、普通に生活している健康な皆さんが作るには少し厳しい存在と捉えた方が良いでしょう。

普通方式遺言の種類と作成方法1 自筆証書遺言

遺言者本人が自分で作成する自筆証書遺言は、全ての遺言書の種類の中で一般の皆さんが最も作りやすい種類です。

自筆証書遺言の作り方とは?

自筆証書遺言は、紙などに遺言全文、氏名、日付を自分の手で書き、押印をするという形式の種類です。

遺言内容を有効にする上で手書きであることも条件となる自筆証書遺言の場合、パソコンやワープロソフトで作成した文章はNGとなります。

また遺産相続に関わる大事な内容が書かれた書類であることを考えると、筆ペンやボールペンといった簡単には消えず、誰もが文字を読み取れる文房具を使うのが理想と言えそうです。

自筆証書遺言の追加修正は少し面倒

自筆証書遺言を作る上で注意すべきなのは、追加修正する時にかなり細かな条件があることです。

例えば、佐藤花子さんという女性が自分の名前を「華子」に訂正した場合、まず変更した箇所を明確に示しておく必要があります。

また遺言書の中には、変更した事実を書き加えた上で、その後に署名と押印をする必要がありますので、注意が必要です。

この方法を少しでも間違えた場合は、遺言書自体が無効になってしまうこともありますので、修正箇所があまりにも多いときには書き直しおこなった方が良いと言えそうです。

普通方式遺言の種類と作成方法2 公正証書遺言

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親族による改ざんや紛失といったさまざまなリスクが気になる人におすすめとなるのが、公正証書遺言と呼ばれる種類です。

公正証書遺言の特徴とは?

公正証書遺言は、公証役場という場所で法律の専門家である公証人に遺言書を作成してもらいます。

遺言者が病気などで口が開けない場合においても、自分で紙に書いたり手話などを使って伝えた内容で遺言書を作ってもらう形となるため、公正証書遺言を選択すれば文章作成の苦手な方々でも読みやすい遺言書を残せるメリットがあるのです。

また作成した遺言書は公証役場の中で保管されますので、部屋の整理が全くできないゴミ屋敷などに暮らす皆さんでも安心できる遺言作成の方法と言えそうです。

公正証書遺言の作り方と作成期間

公正証書遺言の完成までには、通常数週間~数ヶ月の期間がかかります。

まず公証役場に何度か出向いて、公証人と遺言書作成に関する打ち合わせをすることから始まります。

またこの種類の遺言作成時には証人が2人必要となりますので、公証役場に出向く前に記載内容を含めて遺言者が準備しておくべきことは意外と多いと言えそうです。

費用については遺言書の中に記載する財産の金額によって変わってくる仕組みとなっており、100万円以下で5,000円、3,000万円超え5,000万円以下で29,000円といった相場となっています。

普通方式遺言の種類と作成方法3 秘密証書遺言

一般の皆さんにとって少しわかりにくい秘密証書遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言のミックス版とも言える種類です。

遺言書本人が自分で作成する秘密証書遺言には、パソコンで入力したものでも、他人に代筆してもらったものでも良いという特徴があります。

遺言書が完成したら本人が自分の手で氏名を書き、印鑑を押した後に封筒に入れる形です。

この時に封筒に押す印鑑と中に入った遺言書の印鑑は、必ず同じものでなければなりません。

遺言書ができたら公証役場に行く

完成した遺言書は、封筒に入れたままの状態で公証役場に持ち込みます。

この時には、公正証書遺言との時と同じように2人の証人に立ち会ってもらわなければなりません。

秘密証書遺言を公証役場に持ち込むと、公証人が遺言者が言った内容と封筒が差し出された日付を、封筒に書き留めてくれます。

その後、本人と証人が一緒に印鑑を押し、秘密証書遺言が完成する形です。

公正証書遺言と秘密証書遺言における大きな違いとは?

公証役場で完成させるこの両者における最も大きな違いは、秘密証書遺言の保管は遺言者本人が行うという点です。

また自筆証書遺言と似た形で自分が作成する形となる秘密証書遺言の場合、遺言の方法に問題があった時には、せっかく考えた内容が無効となってしまうリスクもあります。

特別方式遺言の種類と作成方法1 一般危急時遺言

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ケガや病気によって命の危機が迫った状態で作成する遺言書を、一般危急時遺言と呼びます。

一般危急時遺言には、本人が遺言を作成できない場合に証人の1人が口頭で伝えてもらった内容を記載することで、遺言書を完成させられるメリットがあります。

こうした特殊な流れで作成する一般危急時遺言には、3人以上の証人が必要です。

また証人は利害関係者以外と決められており、完成から20日以内に遺言を書いた人の住所地のある家庭裁判所にて確認手続きをする必要があります。

特別方式遺言の種類と作成方法2 難船危急時遺言

これに対して難船危急時遺言は、飛行機や船などに乗っている最中に危機が迫った状態で作る遺言を指します。

この種類においても一般危急時と同じように証人が必要となりますが、緊急性がかなり高いことから利害関係者以外の2人で良いというルールとなっています。

また作成した遺言書には、証人の署名・押印が必要です。

家庭裁判所で行う難船危急時遺言の確認については、一般危急時遺言と違って日数の決まりがありません。

特別方式遺言の種類と作成方法3 一般隔絶地遺言

続いて一般隔絶地遺言は、伝染病などの感染によって隔離を余儀なくされてしまったり、刑務所に服役中の本人が作成する遺言書の種類となっています。

また地震が豪雨などの災害によって被災されている方々も、一般隔絶地遺言が作成可能と考えられています。

この種類の遺言書を完成させるには、1人の証人と警察官1名の立会が必要となってきます。

また作成した遺言書には、この2人の署名捺印が必要です。

ケースとして非常に珍しい一般隔絶地遺言には、行政などの判断により交通手段を断たれているといった条件があるようですが、自分が該当するのかわからない時には家族などにお願いをして相続問題に詳しい弁護士に確認してもらうようにしてください。

特別方式遺言の種類と作成方法4 船舶隔絶地遺言

最後にご紹介する船舶隔絶地遺言は、長きに渡って船に乗って漁をしていたり、航海中の方々が作成できる遺言書の種類です。

航海によって陸地から離れた状態が条件となるこの遺言書は、搭乗時間の短い飛行機では該当しないルールとなっています。

また船舶隔絶地遺言の場合は、船長もしくは事務員1名と2名以上の証人に立ち会ってもらう必要があります。

家庭裁判所での確認については、本人が作成しているという理由で船舶隔絶地遺言と一般隔絶地遺言の場合は不要となるようです。

まとめ

節税や争族問題を防ぐ目的だけでゆっくり遺言書を作る場合は、基本的に後半にご紹介した特別方式遺言ではなく普通方式遺言の3種類から選ぶ形になると言えそうです。

自分に適した遺言書の種類や作成方法がわからない時には?

遺言作成に関する疑問や不安が大きい時には、相続問題に詳しい弁護士に相談をしてみてください。

弁護士に遺言作成のサポートをお願いすれば、相続財産の書き漏れや大事な遺言書が無効になってしまうミスも防げます。

また法定相続人が不仲であったり、分割が難しい財産がたくさんある場合は、遺産分割協議がスムーズに進まないこともありますので、自分が亡くなった後に想定されるトラブルがある場合は、遺言書作成だけでなくその不安や悩みもまとめて話してみるのが理想となるでしょう。

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