財産分配の話し合い!?遺産分割協議とは何ですか?

memai

 

被相続人の死亡に伴い必要になることの多い遺産分割協議は、初めて相続手続きを行う方々にとって少し難しいイメージのある存在です。

亡くなった人の財産内容によっては、遺産分割協議とは違った方法で財産を分け合うこともあります。

また遺産分割にはさまざまな方法がありますので、自分たち家族のスタイルに合った種類を選ぶことも、効率的な相続手続きに欠かせないことだと言えるでしょう。

今回は、将来的に遺産相続を行う予定のある皆さんと一緒に、財産分配に欠かせない遺産分割や遺産分割協議について基本的なポイントを確認していきます。

遺産分割協議とは?

財産分配に関わる話し合いのことを、遺産分割協議と呼びます。

遺産分割を行う過程とも言える遺産分割協議には、「どこで話し合う」とか「誰と誰が話し合う」といった法律的なルールはありません。

しかしこの協議を行った後は、法務局や運輸支局、銀行などに提出する遺産分割協議書を作る必要が出てきますので、この書類の作成ルールに合ったポイントを抑えた上で他の相続人との話し合いを進める必要があると言えるでしょう。

《遺産分割協議には期限がない》

相続人同士の話し合いとなる遺産分割協議には、基本的に開始時期や期限の定めがありません。

そのため例えば、被相続人が余命宣告されていて、看病や介護などで普段離れている相続人(家族)が集まった場合は、その時に遺産分割協議に繋がる話し合いをしても良いと考えられているのです。

これに対して終了時期については、相続放棄の申述が相続のあったことを知った日から3ヶ月以内、相続税の申告が死亡日の翌日から10ヶ月以内と期限が決まっていますので、これらの手続きに間に合わせるように話し合いを進める必要があると言えるでしょう。

特に被相続人に多くの借金や債務があった場合は、限定承認や相続放棄を行う相続人が多く出てくる可能性もありますので、遺産分割協議の前段階となる手続きについてもかなりスピーディーに行った方が良いと言えそうです。

遺産分割の流れとポイント

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被相続人の遺産を分け合う遺産分割は、下記3つのポイントが一連の流れの分岐点となります。

これらの全手続きに共通するのは、相続財産の調査です。

このステップでは「具体的にどんな財産をどれだけ持っているのか?」だけでなく「その中に借金や債務はあるのか?」といったことを、なるべく高い精度で調査をする必要があります。

契約書のない借金や連帯保証人については、後々その存在が発覚するケースも少なくない実態がありますが、相続人同士の話し合いがまとまった後でトラブルを発生させないためには、プラスの遺産だけでなくマイナスの遺産についても徹底して調べた方が良いと言えそうです。

《遺言による遺産分割》

被相続人が正しい方法で作成した遺言書が残っている場合、その内容に従って遺産分割を行う流れとなります。

遺言書の中に「どの遺産を誰にどれだけ分けるのか?」といった具体的な記載がある場合は、法定相続人たちが集まって遺産分割協議を行う必要がなくなります。

しかしこの時、その記載内容に納得できない相続人がいた場合は、遺留分減殺請求という手続きによって最低限の相続分を取り戻すことは可能です。

また中には、法定相続人ではなく内縁の妻や隠し子といった人達に遺産分割をすると書かれているケースも少なくない実態がありますので、遺言書が存在することが相続手続きにおける手間やトラブルを解消するというわけではなさそうです。

《遺産分割協議による遺産分割》

遺言書が存在しない、もしくは遺言書の中に相続分の指定しかなく、具体的に何をどういった形で分け合えば良いのか判断できない場合は、相続人全員で遺言書の記載内容に不服を申し立てることもあります。

また遺言書に記載のない財産が見つかった場合は、法定相続人同士で遺産分割協議を行って、取得分について決めていく流れです。

一般的には法定相続分に沿った形で遺産分割を行うのが基本となりますが、場合によってはある相続人の取得分をゼロにするといった形の分割協議も有効になるケースもあるようです。

《調停・審判による遺産分割》

相続人同士の話し合いを行っても遺産分割に関する結論が出ない場合は、それぞれの相続人によって遺産分割調停の申立てが行われることもあります。

調停委員が相続人の間に入って分割内容の決定や合意をさせていくこの手続きは、3ヶ月~1年という長きに渡って行われるのが一般的です。

この方法で遺産分割の内容がまとまった場合は、強制執行もできる効力を持つ調停証書が作成される形となります。

これに対して、調停を何度か行っても話がまとまらない場合は、自動的に審判手続きへと移行する流れです。

審判が開始になると、通常の裁判と同じように当事者間の主張立証が行われます。

財産に不動産が含まれていた場合の遺産分割方法とは?

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相続財産が預貯金や現金だけの場合は、専門的な知識のない相続人であっても比較的容易に平等な分割ができるケースがほとんどとなります。

これに対して土地や戸建住宅、マンションといった不動産が含まれている場合は、お金のようにシンプルに分割ができないという理由で相続問題が生じやすくなるため、注意が必要です。

こうした形で被相続人の財産に不動産が含まれていた場合は、下記3方法のいずれかを使って遺産分割するのが一般的となります。

《現物分割》

現物分割とは、不動産をそのままの形で分け合う方法です。

例えば、現物分割の一種となる分筆登記をする場合は、「ここからここまでは兄、ここから先は弟」といった形で、土地などを線引して分け合う形をとります。

これに対して土地や住宅などの不動産が複数存在する場合は、「被相続人の自宅は妻、都内のマンションは長男、別荘は長女」といった形の分け方を行う方々もいるようです。

《代償分割》

債務負担とも言われる代償分割を行った場合は、相続人を代表する1人が不動産全てを相続する形となります。

他の相続人には、法定相続分などの持ち分に沿った形で相当額の対価が金銭で支払われる流れとなります。

相続人それぞれの対価が平等となる代償分割の場合、現物分割と比べて不公平による相続問題が生じにくい傾向があります。

《換価分割》

不動産の全部もしくは一部を売却し、そのお金を分け合う換価分割も多く用いられる方法です。

遺産相続時に換価分割を用いる場合は、土地や家、マンションといった不動産がある程度の価格で売却可能という前提条件が必要となります。

あまりにも買取額が低い場合は、それだけ相続人がもらえる相続金額も下がる可能性も出てきますので、この方法を使う時には早めに相場などの調査をするのが理想となるでしょう。

遺産分割協議をスムーズかつ円滑に進めるためには?

遺産分割協議をトラブルなく終えるためには、下記の流れをきちんと抑えて手続きを進めていく必要があります。

《相続人の確定》

遺産分割の手続きは、「誰が法定相続人なのか?」の確認と確定から始まります。

被相続人が亡くなったら、まずその人の出生から死亡までの除籍謄本や改正原戸籍などを全て集めるようにしてください。

このステップを怠り、本来協議に加わるべき法定相続人を含めずに話し合いを進めてしまうと、遺産分割協議書を完成できなくなりますので、注意をしてください。

《相続財産の確定》

誰が相続人になるかを確定させたら、次は被相続人の相続財産を全て調べ上げます。

遺産分割対象となる財産の中には、ゴルフ会員権や損害賠償請求権、慰謝料請求権なども含まれます。

また動産の中には、美術品や船舶、自動車なども含まれる形となりますので、「どんなものが相続財産に該当するのか?」を把握することも必要だと言えるでしょう。

《財産目録の作成》

被相続人の遺産を全て一覧にまとめた表を、財産目録と呼びます。

財産目録には、法的に作成しなければならない義務はありません。

しかしこの目録があれば、法定相続人の全てが財産の内容を把握できることにより、遺産分割協議もスムーズに進む傾向があるようです。

《遺産分割協議書の作成》

遺産分割協議のゴールは、相続手続きのさまざまなシーンで使用する遺産分割協議書という書類を作ることです。

相続人の全てが1通ずつ原本を保管する遺産分割協議書には、その全てに相続人全員分の実印と署名が入る形となります。

何らかの理由で1人でも署名押印がない場合は、「共同相続人全員の合意が得られていない」という状態になりますので、注意が必要です。

《遺産分割協議のために相続人全員で集まる必要はある?》

共同相続人の誰かが遠方に暮らしているなどの事情を抱えている場合は、無理に同じ場所に集まって協議をする必要はありません。

この場合は、不参加者を除く他の相続人で話した内容を合意してもらった上で、郵送などの手段を使って遺産分割協議書に署名押印をもらう形となります。

遺産分割協議書には特別な書き方の決まりはありませんが、遠方に住む他の相続人とのやり取りに時間がかかることを考えると、全てのポイントを網羅した内容で作成するのが理想となるでしょう。

遺産分割協議でトラブルが生じた時には?

遺産分割協議で何らかの問題が生じた時には、遺産相続関連に詳しい弁護士に相談をするのがいちばんです。

前述のとおり相続税の申告などの期限に向けて行う遺産分割協議は、なるべく早めに手続きを進めることが理想となります。

また財産の中に不動産などがたくさんある場合は、その価値判断や売却といった部分でも時間がかかることになりますので、少しでも解決の難しいトラブルが生じた時には早めに遺産相続の専門家に相談をした方が良いと言えるでしょう。

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